「eスポーツを仕事にする」という夢を諦めず、
プロセスマイニングのプロフェッショナルとして、
安定と挑戦を両立させる「デュアルキャリア」を実現
Assistant Manager/Next Gen Division
徳永 真羽人
既存のキャリアパスに捉われず、自らの専門性を掛け合わせる道を選び取った。
大学では情報通信工学科に進学し、ソフトウェアとハードウェアの両面をじっくりと学んでいました。勉強を重ねるほどにプログラミングそのものの楽しさにのめり込んでいき、ちょうどその頃、趣味として始めたのがWebブログでした。自分がプレイしているゲームの攻略情報や、eスポーツにまつわる記事をコツコツと投稿し続けていたところ、気がつけば月間30万PVという規模にまで育っていたんです。大学で身につけていった技術力と、趣味の延長で培っていった発信力の両方が、この時期に少しずつ形になっていったように思います。
こうした経験もあって、卒業後は自分の強みをそのまま活かせる仕事に就きたいと考え、データアナリスト兼データベースエンジニアとしてキャリアをスタートさせました。エンジニアとして自分の力を発揮できているという実感がある一方で、心のどこかにはずっと引っかかっていることがありました。それは、幼い頃からずっと大好きで続けてきたゲームを、趣味のままで終わらせてしまっていいのだろうかという思いです。いつかこのゲームというフィールドも、自分の仕事にできないだろうかと、情報を集め続けていました。
周囲からは「そんなに世の中は甘くない」「せっかくIT業界でうまくいっているんだから、それでいいじゃないか」といった、率直に厳しい意見をもらうことも少なくありませんでした。ただ、そう言われれば言われるほど、逆に「絶対にやってやる」という気持ちが自分の中でどんどん強くなっていったんです。
そんなある日、X(旧Twitter)を眺めていたときに偶然目に留まったのが、eスポーツチーム「IGZIST」がデュアルキャリア人材を募集しているという投稿でした。eスポーツ業界の中で安定して働ける道をずっと探し続けてきた自分にとって、これまで積み上げてきたITのスキルを活かしながら幅広い領域でキャリアアップできるIT会社に勤めつつ、同時にeスポーツ業界でも力を発揮できるという募集内容は、まさに探し求めていたものそのものでした。この偶然の出会いをきっかけに、ITSOへの入社を決意することになったんです。
領域を横断して培った知見を、開発と分析双方の現場で価値に変える。
エンジニアとしては、主にプロセスマイニングツール「Celonis」の導入支援を担当しています。Celonisとは、業務効率化を進める前段階で、どこにどのような課題が潜んでいるのかを可視化するために役立つツールで、まずクライアント様にその活用方法をご案内するところから業務が始まります。具体的には、業務効率化に向けてクライアント様が抱えている課題を丁寧にヒアリングし、そこから提案書を作成、実際の開発支援まで一貫して携わっています。
導入して終わりではなく、その後も定期的に打ち合わせの機会を設け、運用の中で出てきた困りごとや新たな課題に対してコンサルティングを行うことも大切な業務の一つです。開発の場面では、クライアント様の業務フローをデータベースから抽出・加工し、誰が見ても理解しやすいダッシュボードとして仕上げるところまで担当しています。
一方でアナリストとしては、eスポーツのVALORANT部門でさまざまな役割を担っています。実際に行われた試合や競技シーンのデータを収集し、そこから戦略を分析、見えてきた新たな戦略をコーチやスタッフへ提案するのが主な仕事です。分析を行う際には、AIを活用した文字起こしアプリやデータ収集プログラムを自分自身で開発して使っており、エンジニアとして培ってきたスキルを、アナリスト業務の中でも実践的に活かすことができています。
エンジニアとしての開発経験と、アナリストとして磨いてきたデータへの洞察力。この二つを掛け合わせることで、より精度の高い分析を提供できるようになっていると感じていますし、その結果として選手たちからの理解と信頼を得られていることも、大きなやりがいにつながっています。
異なる領域を往還する経験そのものが、専門性を掛け合わせる思考力を養っている。
デュアルキャリアという働き方を実際にやってみて感じているのは、性質の異なる二つのフィールドで同時に活動すること自体が、大きなスキルアップの機会になっているということです。IT業界と一口に言ってもその領域は非常に広く、エンジニア職といっても種類はさまざまですが、ITSOはハイパーオートメーション領域を専門に手がけているため、業種を問わずさまざまな現場でのコンサルティングや開発・運用保守を経験できる環境が整っています。
AIやRPAといった最先端の技術を積極的に活用していきたいと考えている人にとっては、まさにうってつけの環境だと感じていますし、日々の業務の中で多くの刺激を受けながら働けていることを、率直によかったと思っています。
アナリストとしての活動の中では、間近でプロゲーマーの姿を目にするたびに、今でも胸が高鳴り、少し緊張してしまう瞬間があります。それでも、eスポーツというシーンの成長に自分の力が少しでも役立っているという実感は何ものにも代えがたい喜びですし、いつでもIT技術を用いてチームをサポートできる立場にいられるということも、とてもありがたく感じています。
エンジニアとして得た知識・経験と、アナリストとして得た知識・経験。この二つがそれぞれの現場で互いに補い合いながら、自分自身の視野を大きく広げてくれていると実感しています。片方の仕事だけをしていたら気づけなかったであろう視点を、もう一方の仕事から得られることが、デュアルキャリアならではの醍醐味だと感じています。
eスポーツ業界とIT業界、双方の専門性を接続するプロフェッショナルを目指す。
今後の目標として、まずはハイパーオートメーション領域のプロフェッショナルエンジニアとしての地位を確立しながら、さらなるスキルアップを目指していきたいと考えています。特に今深めているプロセスマイニング分野の専門知識に加えて、データそのものへの深い理解と、アナリストとしての思考法の両方を併せ持てるエンジニアになっていきたいというのが、今の率直な思いです。
一方でIGZIST VALORANT部門のアナリストとしても、チームが世界一になれるよう、選手やコーチと密にコミュニケーションを取りながら、チームのパフォーマンスを最大限まで引き出していくことに力を注いでいきたいと思っています。
そして将来的には、これまで積み重ねてきたデュアルキャリアとしての経験を活かし、eスポーツ業界とIT業界という二つの世界をつなげる存在になりたいと考えています。たとえば、選手一人ひとりの行動データを分析し、それぞれのプレイスタイルに合わせた練習メニューを提供する仕組みを構築したり、プロセスマイニングの技術を用いてチーム運営そのものの効率化を図ったり。双方のフィールドで培ってきた知見を掛け合わせながら新しい価値を生み出し、業界全体の発展に少しでも貢献していきたいと思っています。
最後に、この記事を読んでくださっている求職者の皆さんへ。eスポーツ業界に挑戦してみたいけれど、なかなか一歩を踏み出せずにいるという方にとって、今はとても良いチャンスだと思います。自分自身、急速に成長していく業界へ飛び込むことには少なからず不安を感じていましたが、だからこそ、これまで培ってきたITの知識を活かしながら並行して挑戦できる場があるということが、とても貴重な機会だったと今振り返っても思います。まずは興味を持ったら、迷わず一歩を踏み出してみてください。新しい挑戦を通じて得られる経験や人脈は、必ず皆さんのキャリアにとって大きなプラスになるはずです。自分自身の「強み」と「好き」を最大限に活かせる環境で、ぜひ自分の可能性を試してみてほしいと思います。
「我唯足知(われただたるをしる)」――直訳すると「自分には今あるもので十分満ち足りている、と知る」という意味になる言葉です。一見すると、現状に満足しなさいという、向上心を欠いた響きに聞こえるかもしれません。ですが、この考え方を時間をかけて自分なりに咀嚼し、頭の片隅に置き続けてきたことで、継続した努力ができていると感じるようになり、いつしか座右の銘として大切にするようになりました。
高い目標に向かって努力している過程はときに苦しく、焦りや不満が顔を出す瞬間も少なくありません。そんなとき、「今すでに満ち足りている」と一度立ち止まって捉え直すことで、精神的に落ち着きを取り戻し、努力そのものを途切れさせずに続けていける――それが、自分なりに導き出した解釈です。
この考え方は、仕事の中でも確かに息づいています。成果がすぐには見えない、あるいは見えにくい業務に向き合うとき、焦りや不満から安易にやり方を変えたり、投げ出してしまったりせずに、粘り強く続けることができているのは、この言葉のおかげだと感じています。「今の自分に足りないもの」ばかりを数え上げてしまうと、不安に判断が揺さぶられてしまいますが、今すでに持っている知識や環境、任せてもらえている役割は十分に恵まれたものだと捉え直すことで、目の前のことに集中できるようになるんです。
エンジニアとしてもアナリストとしても、成果がすぐには形にならない場面は数多くあります。それでも焦らず一歩ずつ積み重ねていけるのは、この「我唯足知」という考え方が自分の軸としてしっかり根付いているからだと思っています。
(われただたるをしる)」