東京大学大学院から、
エンジニア×eスポーツアナリストへ。
「いつか」ではなく、
学生のうちに両方を本気で試す。
二つの現場で得た力を掛け合わせ、
将来の解像度を上げていく
Engineer/Next Gen Division
北村 優輝士
憧れたのはプレイヤーではなく、試合を読み解く側だった。情報理工学とeスポーツを掛け合わせる道を選んだ。
元々ゲームが好きだったことが、eスポーツの世界に関心を持つ最初のきっかけでした。中学2年生の頃、5対5の爆破型FPSであるAlliance of Valiant Arms(AVA)に夢中になり、大会中継で繰り広げられる緻密な戦術や、ここぞという場面でのスーパープレイに強く惹かれていきました。当時からeスポーツの競技シーンには漠然とした憧れを抱いていましたが、プレイヤーとして頭角を現せるだけの才能は自分にはないと感じていました。
その頃は、プレイヤー以外の立場でeスポーツに関わる選択肢もまだ一般的ではありませんでした。コーチやアナリスト、サポートといったポジションは珍しく、ゲームだけで生計を立てられる人もごく一部に限られていた時代です。そのため競技シーンは自分とは縁のない世界だと考え、一人のファンとしてFPSを楽しむにとどめていました。
しかし、ここ2〜3年で業界の状況は大きく変わり、「アナリスト」という職種そのものが一般化してきました。この変化を目の当たりにして、大学院で取り組んでいる情報理工学の知見と、VALORANTをはじめとするeスポーツの知識を掛け合わせれば、自分ならではの希少価値を発揮できるのではないかと考えるようになりました。挑戦するなら、やり直しがきく学生のうちがいいと思い、IGZIST VALORANT部門のアナリスト職に応募しました。
もっとも、その時点ではまだ「デュアルキャリア」という働き方の存在自体を知りませんでした。それを知ったのは、IGZISTの選考面接の最中でのことです。エンジニアとアナリストを一人で両立できるという話を聞いたときは、率直に衝撃を受けました。eスポーツ業界は個人事業主として働くのが主流で、結果を出せなければ契約を切られてしまうという厳しいイメージがありましたし、キャリアのスタート地点にeスポーツを選ぶと、その後の選択肢が狭まってしまうのではという不安もありました。だからこそ、学生のうちに一度実際に体験し、自分の将来についてじっくり考えたいと思っていた自分にとって、デュアルキャリアという選択肢はまさに探し求めていた働き方そのものでした。ITSOであればエンジニアとしてAI等の最新技術を用いたDX支援に携われるうえ、アナリストとしてもコーチ・アナリスト業務からクリエイティブ制作、コミュニティ運営まで幅広く担当できると知り、両方の専門性を同時に伸ばせる環境に強く魅力を感じました。
業務自動化エンジニアとサブアナリスト。二つの現場で得たスキルが、互いを高め合っていく。
エンジニアとしては、社内向けに利用する休暇申請アプリと経費申請アプリを、Power Platformを使って開発するところから業務が始まりました。並行して、イベント情報や社内ニュース、研修内容、勤怠管理といった散在した社内イントラの情報を統合・整備するプロジェクトにも加わっています。アナリストとしては、Tier1クラスの競技シーンの試合分析に加え、その時々のメタで強いとされる戦術やセットプレー、定点の収集・共有を主な業務としています。
インターン開始から1ヶ月ほど経験を積んだあと、2ヶ月目にはもう即戦力としてプロジェクトへ参加する機会をいただきました。具体的には、大手SIerのクライアントが運営するヘルプデスクチームに加わり、Power PlatformやUiPathといったRPAツールを日常的に利用するユーザーへの技術支援を担当しています。ユーザーが開発でつまずいた際のサポートも含め、実務の最前線に立たせてもらっています。加えて、企業ごとに異なる問い合わせフォームをAIが理解し、自動で問い合わせを行うツールの開発にも取り組んでおり、早い段階からさまざまなプロジェクトに関わらせてもらえていることを、とてもありがたく感じています。
一見すると、業務自動化エンジニアとしての仕事と、eスポーツアナリストとしての仕事には関わりがないように思われるかもしれません。ですが実際にやってみると、この二つは想像以上に密接につながっています。片方の現場で身につけたスキルをもう片方に応用できるため、自然とスキルアップへの意欲が高まっていくのを感じます。
具体的には、IGZISTでの分析業務では、統計サイトのスクレイピングや対戦データのグラフ化にオートメーションの技術を活用しており、本業のエンジニア業務で培ったスキルをそのままアナリスト業務に生かしています。またVALORANTのアナリストは、通常オフシーズンには自己研鑽に専念することが多いのですが、デュアルキャリアという働き方であれば、仕事量の比重を柔軟に調整できます。閑散期にはエンジニア業務の比重を厚くすることで、年間を通じて安定した業務量を保てているのも、この働き方ならではの利点だと感じています。
まずは目の前の信頼を積み重ねる。見据えるのは、日本のVALORANTシーンを牽引する未来。
エンジニアとしての直近の目標は、業務自動化エンジニアとして社外のRPA案件を任せてもらえるだけのスキルと信頼を獲得することです。実際にプロジェクトへ配属された際には、クライアントの期待を常に上回れるようなエンジニアへと成長したいと考えています。そしてゆくゆくは、業種や環境を問わず顧客のニーズを瞬時に把握し、最適な解決策を提案できる、DX化コンサルティングやデータアナリストのような領域にも幅広く取り組み、ITSOが掲げる理念の一つである「マルチタスク型人材」を体現できる存在になりたいと思っています。その過程で、自分自身の適性やその先にあるやりがいも、じっくりと見極めていきたいです。
アナリストとしては、長期的な目標にはなりますが、IGZIST VALORANT部門がインターナショナルリーグへ昇格し、世界一を目指す道のりの一助になることを目指しています。そのためにはまず、アナリストとしてもエンジニアとしても、それぞれの領域で一人前になることが当面の目標です。VALORANTの競技シーンが成熟していくにつれ、データアナリティクスの重要性は今後さらに増していくはずです。黎明期に比べて対戦データが入手しやすくなったことで、その進化のスピードも加速しています。データを使ってセオリーや肌感覚を裏付けるのはもちろん、データを起点として新たな戦術を導き出せたなら、アナリストとしてこれほど本望なことはないと思います。
究極的かつ大局的な目標は、日本のVALORANTシーンが世界をリードする存在になり、自分自身がその流れを推し進める歯車の一部になることです。日本のVALORANTシーンはすでに非常に熱量が高く、その熱量自体がシーン全体を前へ進める力になっています。海外の情報や戦術も迅速に取り入れられていますし、解説動画のような独自の発信も増えてきました。こうした土台を通じてコミュニティ全体のゲーム理解度が上がれば、競争力もおのずと高まり、日本は名実ともにリーディングリージョンになれると信じています。個人としては、アナリストとしてIGZISTに直接貢献することはもちろん、コミュニティ全体の発展にも力を注いでいきたいと考えています。
これまでITSOには、学生インターンでありながらデュアルキャリアという働き方を選べるポジションはありませんでした。今回、学生である自分のために新しい枠組みを新設してくれたことに、この会社の柔軟さと温かさを感じています。ゲームやeスポーツを好きな社員も多く、共通の話題があるからこそ楽しく働けていると感じます。日本ではまだ珍しい働き方のため、イメージが湧きにくいかもしれませんが、ITSOとIGZISTの理念に共感できる方は、ぜひ一緒にデュアルキャリアの道を切り拓いていけたらうれしいです。
「Today is the first day of the rest of your life.」訳せば、「今日という日は、残りの人生の最初の一日」となります。
この言葉が好きなのは、「こうあるべき」「こうなれる」といった理想論ではなく、ただの事実しか言っていない点です。それなのに、今日から心機一転やり直せると思わせてくれる。
業務においては、ミスをくよくよ引きずりがちな性格なので、この言葉に頼っています。担当する案件では、想定どおりに動かないことも、後から筋の悪い設計だったと気づくことも珍しくありません。
次回以降に活かすための反省はすれど、感情は翌日に持ち込まない。今日はまた初日だから、今打てる最善手を打つだけだと自身に言い聞かせています。
of the rest of your life.」