営業事務から、
FDE(Forward Deployed Engineer)へ。
曖昧な現場要望を、実装可能な設計へ変える。
構想から実装まで、
顧客のDXを一気通貫でリードする
Engineer/Hyper Automation DivisionⅠ
小倉 絵里
現場を知る市民開発者から、業務とテクノロジーをつなぐエンジニアへ。
前職では約10年にわたり、営業事務を担当していました。日々の業務に向き合うなかで、手作業や定型業務を自分たちの手で変えられないかと考え、独学でRPA開発を開始。市民開発者として、自分の業務をどう切り出し、どこまで自動化できるかを考えながら、開発と改善を重ねてきました。3年間の実践を通じて、業務自動化を専門性としてさらに深めたいと考え、2023年に転職を決意しました。
ITSOとの出会いは、何気なく開いた転職アプリでした。市民開発の経験を生かしながら、より多様な業務課題と技術に向き合える。求人情報を見た瞬間、探していた環境に近いと感じ、すぐに夫へ連絡したほどです(笑)。一方で、当時の勤務地は恵比寿。家族全体の生活と通勤時間を考えると現実的な選択が難しく、一度は応募を見送りました。
ただ、仕事の内容への関心は消えず、その後も採用情報を確認し続けていました。ある日、人事担当者から「一度お話ししませんか」と連絡をいただき、応募を決断しました。偶然のようにも見えますが、自分が進みたい方向を定め、情報を追い続けていたからこそ、機会が訪れたときに動けたのだと思います。
面接では、働く環境や期待される役割について具体的な説明があり、入社後に大きなギャップはありませんでした。女性社員がまだ少ないことには多少の不安もありましたが、実際には年齢や属性ではなく、互いの知識や経験を尊重して協働する文化があります。異業種からの転身でも、必要なことを率直に相談しながら専門性を伸ばせる環境でした。
技術支援で培った現場理解を土台に、DX推進を構想から実装までリードする。
現在は、大手SIerのDX推進案件にPLとして参画しています。顧客へのヒアリングを起点に、課題と業務要件を整理し、要件定義、設計、構築までを一気通貫でリード。個別の開発にとどまらず、顧客が実現したい状態から逆算し、プロジェクト全体を前へ進める役割を担っています。
入社後は、大手通信事業者におけるPower Platformの業務自動化支援を担当しました。「新しくフローを構築したい」「エラーの原因を特定したい」「この業務は自動化できるか」といった相談に対し、要望整理、フロー設計、エラー分析、実装可否の検証、代替案の提案まで対応。市民開発者が自ら改善を進められる状態づくりに伴走した経験が、現在のPL業務の基盤になっています。
起点になるのは、丁寧なヒアリングです。実現したい状態や業務の背景、現在どこまで対応できているか、どの段階でつまずいているかを確認します。表面的な質問にそのまま答えるのではなく、その奥にある目的と制約を捉えることで、本当に解くべき課題が明確になります。
解決策を伝える際は、相手の習熟度に合わせて、図や具体例を使いながら専門用語を日常の言葉へ置き換えます。その場の問題を解消するだけでなく、ユーザー自身が次回は再現し、応用できる状態をつくることが重要です。技術的に実現が難しい場合も、そこで終わらせず、目的を満たす代替案まで提示するようにしています。
この仕事で生きているのが、約10年間の営業事務経験です。利用者がどのような言葉で困りごとを表現するのか、仕組みを変えることで日々の業務がどう変わるのかを、現場の目線で想像できます。業務の意図を技術者へ、技術の選択肢を利用者へ翻訳する。その両者をつなぐことが、自分ならではの提供価値だと考えています。
領域を越えた知見共有と、本人の意思を起点にしたアサインが、成長を加速する。
ITSOの魅力は、大きく3つあります。1つ目は、知見へアクセスしやすいことです。所属チームや案件が異なっていても、必要な領域に詳しいメンバーへ相談でき、分からなければ次の専門家へつないでもらえる。年齢や社歴、役職を越えて知識が流通しているため、個人が一人で課題を抱え込まず、組織としてよりよい回答をつくれます。
2つ目は、学習と実践のサイクルが速いことです。資格取得や新しい技術・ツールの情報が日常的に交わされ、勉強会や自作ツールの共有も自発的に行われています。年2回の評価では、実績を振り返るだけでなく、次に伸ばす専門性について対話できるため、学びをキャリアへ接続しやすいと感じています。
3つ目は、本人の意思を起点に役割を広げられることです。新規案件の情報が共有され、関心のある領域があれば参画の希望を伝えられます。現在のスキルだけで配置を固定するのではなく、今後どの専門性を伸ばしたいかをリーダーや評価者と話しながら、次の挑戦を設計できる環境です。
事業規模が拡大するなかで、DX推進を担うPLとして、課題設定・設計・プロジェクト推進の幅と質を高め、個人の成長を組織の提供価値へ返していきたいと考えています。構想を描くだけで終わらせず、実装と定着まで成果につなげる。その積み重ねを通じて、ITSOの価値をさらに多くの方へ届けることが次の目標です。
キャリアチェンジは、過去を捨てることではない。業務を知る経験が、技術の価値を変える。
ITSOには、異業種からキャリアを転換したメンバーが多くいます。経歴が違えば、課題を見る視点も、持ち込める業務知識も変わります。同じ経験を持つ人をそろえるのではなく、多様なバックグラウンドを組み合わせることが、顧客に対する提案と実装の幅につながっていると感じます。
私にとっても、営業事務としての10年間は遠回りではありませんでした。利用者の立場で業務を捉える力、曖昧な困りごとを言語化するヒアリング力、相手が行動できる形で伝える力として、現在のDX推進とプロジェクトリードを支えています。キャリアチェンジで持ち込めるのは、技術スキルだけではありません。
ITSOへの応募を一度見送った後も、自分が進みたい方向を曖昧にせず、情報を追い続けました。機会が訪れたときに決断できたのは、それまでに関心を行動へ変え、準備を重ねていたからだと思います。キャリアの転機は、勢いだけで飛び込むことではなく、自分の軸を持ちながら選択肢を育てることでもあります。
新しい領域へ進むとき、最初からすべての知識がそろっている必要はありません。これまでの経験から持ち運べる力を見極め、不足する技術を学び、まず検証してみる。分からないことを問い、試し、結果に向き合える人であれば、異業種で培った経験を次の専門性へ変えていけると思います。
「まずやってみる」は、考えずに動くという意味ではありません。検討だけでは消せない不確実性を、小さく試し、事実から学ぶことで前へ進める。その姿勢を大切にしています。
難しい相談を受けたときも、最初から「できない」と答える0回答はしません。前提と制約を整理し、技術検証を行い、実装できる手段を探す。難しい場合は、目的を実現できる代替案まで考えて提示します。
行動することは、品質を軽視することでもありません。仮説と検証結果を残し、うまくいかなかった理由も次の判断材料へ変える。一度の挑戦を、再現できる知見として積み上げることまでが仕事だと考えています。
異業種から転身したからこそ、意識して経験の幅を広げる必要があります。実際に触れてみなければ、何が分からないかさえ見えません。まず試し、確かめ、次へ生かす。その積み重ねが、自分の専門性をつくっています。