課題と効果
課題
- 社内向けのCopilot Chatbotは、Backlog上に蓄積された課題・コメントをナレッジソースとして回答する仕組みだったが、その更新は担当者がBacklogの内容を都度確認し、必要な情報をダウンロードしてナレッジベースへ手動登録する運用にすべて依存していた
- 手作業ゆえに更新頻度が上がらず、Chatbotが参照する情報は徐々に鮮度を失っていた
- 手作業への依存は、更新漏れやヒューマンエラーが発生するリスクも抱えていた
効果
- ナレッジ更新プロセスの約99%を自動化し、手動作業時間をほぼゼロに削減。自動バックアップの導入によりデータ損失リスクもほぼゼロ化
- 情報の更新頻度が向上し、Copilot Chatbotの回答精度・信頼性が改善。導入後数か月間、安定稼働を継続
導入前
「情報が古いAI」になってしまう、更新作業の重さ
社内向けに導入していたCopilot Chatbotは、Backlog上に蓄積された課題やコメントをナレッジソースとして参照する仕組みだった。しかしその更新は、担当者がBacklogの内容を都度確認し、必要な情報をダウンロードしたうえでナレッジベースへ手動で登録するという運用に依存していた。
この負荷の高さが、更新頻度の低下という新たな問題を生んだ。Chatbotが参照する情報は徐々に鮮度を失い、気づけばAIの回答精度や信頼性そのものを揺るがす要因になっていた。あわせて、手作業に頼る運用は、更新漏れやヒューマンエラーが発生するリスクも抱えていた。

図:情報鮮度が失われる因果連鎖
再設計
Power Platform・Azure Functions・APIを組み合わせた自動更新フロー
本プロジェクトでは、ナレッジデータの更新プロセスそのものを完全自動化することを目的に据えた。Microsoft Power Automateを中心に、Backlog API・SharePoint・Azure Functionsを連携させた自動化ワークフローを構築。Backlogの課題およびコメント情報を自動取得し、子フローでテキストファイル化してSharePointに保存する仕組みとした。
あわせて、Azure Functions上で稼働するPythonスクリプトにより、公式サイトからPDFやHTMLファイルを月2回自動取得する仕組みも新たに構築した。取得したファイルはAzure Blob Storageに一時保存された後、SharePointに転送され、最終的にCopilot Chatbotのナレッジベースへ登録される。従来はBacklogの情報のみが頼りだったナレッジベースに、公式サイトの最新情報も自動で反映される形となり、参照できる情報の幅そのものも広がっている。
運用面では、すべての機密情報をAzure Key Vaultで安全に管理し、Slack通知機能によって処理状況をリアルタイムに可視化。更新データの損失リスクに備える自動バックアップ機能も導入し、担当者の手を介さなくなった分、万一の処理エラーやデータ不整合が起きた場合でも復旧できる設計とすることで、安定運用の土台を固めている。

図:更新プロセスのBefore/After比較
導入後
手動作業ほぼゼロ、安定稼働を継続
システム導入後、ナレッジ更新プロセスの約99%が自動化され、手動作業時間はほぼゼロにまで削減された。更新頻度が向上したことで、Copilot Chatbotが参照する情報は常に最新の状態に保たれるようになり、回答精度・信頼性の改善にもつながっている。バックアップ機能の導入によりデータ損失リスクもほぼゼロ化され、導入後数か月間にわたって安定した稼働を継続している。

図:自動化による効果
Backlogや公式サイトなど複数の情報源を手作業で更新し続けることに限界を感じている、あるいはAIチャットボットの回答精度が情報の古さによって損なわれている――同様の課題を抱えている企業にとって、参考になる事例ではないでしょうか。