Microsoftは「Microsoft Power Platform」というクラウドサービスを展開しています。「Microsoft Power Platform」はアプリ作成やデータの収集・解析などをローコードで実現できる製品です。
Microsoft Power Platformは、お客様のさまざまな業務を向上させるサービス群の総称で、Microsoft社が提供するクラウドサービスです。Microsoft Power Platformのツールは、簡単にアプリケーションを作成できるPower Apps、アプリケーションを自動実行させるPower Automate、膨大なデータを可視化するPower BI、チャットボットを作成することができるCopilot Studioなど、多岐にわたります。
目次
Microsoft Power Platformとは？
Microsoft Power Platformは、Microsoftが提供するローコード・ノーコード開発プラットフォームであり、ビジネスアプリケーションの開発、データ分析、業務プロセスの自動化を簡単に行うことができます。このプラットフォームは、プログラミングの専門知識がなくても、ユーザーが直感的に操作できるインターフェースを提供し、迅速なアプリケーション開発を可能にします。
Microsoft Power Platformでは、Power BI、Power Apps、Power Pages、Power Automate、Copilot Studioという5つのサービスを組み合わせて、ビジネスに必要なソリューションを自由に構築できます。
また、Microsoft Power PlatformはMicrosoft 365やAzure、Dynamics 365などのMicrosoftのクラウドサービスとも連携できるので、既存のデータやシステムの活用ができます。
Microsoft Power Platformの将来性について
ローコード・ノーコード開発へのニーズの高まりやDX化によるビジネスプロセスの見直しや効率化などにより、Microsoft Power Platformは急速に成長しており、今後も成長が期待されています。
DX化の進展に伴い、急速に成長しています。特に、ローコード・ノーコード開発の需要が高まる中で、企業は迅速なアプリケーション開発と業務プロセスの最適化を求めています。デロイトトーマツミック経済研究所によると、ローコードプラットフォーム市場は急拡大しており、2023年度には約2,920億円に達する見込みです。
この成長は、AIやRPAなどの最新技術を活用した新しいビジネスモデルの創出を促進し、企業が競争力を維持するための重要な要素となっています。Microsoft Power Platformは、ビジネスユーザーやITプロフェッショナルにとって、業務の効率化やイノベーションを実現するための強力なツールとして位置づけられています。
Microsoft Power Platformでできること・できないこと
できること
• アプリケーションの迅速な開発: Power Appsを使用することで、業務ニーズに応じたアプリケーションを短期間で開発できます。
• データの分析と可視化: Power BIを利用して、さまざまなデータソースから情報を集約し、視覚的に分析することが可能です。
• 業務プロセスの自動化: Power Automateを使って、定型業務や手順を自動化し、効率化を図ることができます。
• チャットボットの作成: Copilot Studioを利用して、顧客対応や社内サポート用のチャットボットを簡単に作成できます。
• Webサイトの構築: Power Pagesを使用して、ビジネス向けのWebサイトを迅速に構築することができます。
できないこと
• 外部公開の制限: Power Appsで作成したアプリは、基本的に組織内での利用に限られ、外部の人に公開することはできません。
• 複数人での同時開発の制約: 同時に複数人でアプリ開発を行うことは難しく、個別に作業を進める必要があります。
• 柔軟なデザインの制限: 一部の高度なデザインや動きは実装できない場合があります。
Microsoft Power Platformを構成するサービス5つ
Microsoft Power Platformを構成するサービスは、5つあります。それぞれのサービスの機能と特徴について紹介します。
Power BI
Power BIは、データの分析と可視化を行うためのツールです。ExcelやSQL Serverなどのデータを活用し、ダッシュボードやレポートを作成することができます。これにより、迅速な意思決定を支援します。
Power Apps
Power Appsは、業務アプリケーションを迅速に作成するためのツールです。ユーザーは、ドラッグアンドドロップでアプリを構築し、業務ニーズに合わせたカスタマイズが可能です。
Power Pages
Power Pagesは、Webサイトを構築するためのツールです。ユーザーは、テンプレートを使用して、コーディングなしでビジネス向けのWebサイトを作成できます。
Power Automate
Power Automateは、業務プロセスの自動化を実現するためのツールです。特定のトリガーに基づいて、タスクを自動的に実行するフローを作成できます。
Copilot Studio
Copilot Studioは、チャットボットを作成するためのツールです。ユーザーは、簡単なインターフェースを使って、顧客の質問に応答するボットを構築できます。
Microsoft Microsoft Power Platformの活用イメージ
業務効率化の実現
Microsoft Power Platform は、基本的なITリテラシーがあり、パソコンを使用できればプログラミング知識がなくても活用できるサービスです。社内にIT エンジニアがいなくても、業務フローをスムーズに構築できるというメリットがあります。
近年は新型コロナウイルスの影響でリモートワークが普及していることから、場所や環境を問わず使えるクラウドサービスは、さまざまなシーンで取り入れられています。各パソコンにインストールして使うソフトよりも初期費用を抑えられることにくわえて、セキュリティも優れているのが特徴です。
上記のメリットから簡単な操作で業務効率化ができるアプリを開発すれば、業務品質を維持したまま効率化をはかることも可能です。
Microsoft Office と連携できる
昨今はさまざまな企業で「Microsoft Office」が使用されています。アプリやシステムはMicrosoft社のソフトと類似しているため、扱いやすく連携も簡単です。エンジニアでなくとも連携できる点も利点となっています。
必要な時に使える
システム開発をITベンダーに依頼するとスケジュールやシステムのメンテナンス時に外注先に依存してしまいますが、Microsoft Power Platformなら自社内で完結できるため、業務を迅速に進行できます。外出先でもアクセス可能なため、アイデアが浮かんだ時やすぐに必要な時にも使用できるものメリットです。
セキュリティ対策になる
Microsoft が提供するサービスは、セキュリティ面において信頼性が高い傾向にあります。定期的なマルウェアスキャンや完全クラウドベースのサービスにより、データ消失やウイルス感染といったリスクを回避しつつ、業務を遂行できます。
費用が明確になっている
Microsoft Power Platformは契約者数やセッション数によって決定される月額課金サービスのため、費用が明確で、わかりやすい料金体系となっています。必要な点のみ課金して利用範囲を定めて使うことで、月々のランニングコストを抑えて高機能 なサービスを使うことができます。
また、Power Apps と Power Automate は一部機能を除いたものは 、Office 365 のライセンスで使えます。
データの分断化が起きている
データを分けて管理しているために 、効率的にデータを扱えていない問題があります。Power Apps および Power BI を活用することで、組織内のデータを統合的に管理および分析することが可能です。両ツールを併用することで、迅速かつ効率的なデータ活用が実現されます。
ビジネスアプリ同士の連携ができない
個別でのアプリの業務効率化は考えられてきていますが、それぞれのアプリは独立をしていて、連携はしきれていませんでした。Power Apps を扱えば、コーディングをせずにアプリ開発が可能であるため、ビジネスシーンやニーズに合わせたアプリを素早く開発できます。
ペーパーレス化が進まない
ペーパーレス化が進んでいる現代ですが、まだまだ紙から離れていない企業は多くあります。Microsoft Power Platform を使うことで、外出先でもアクセスが可能なので、ペーパーレス化を進めて印刷コストの削減もできます 。
業務プロセスが複雑でエラーが起きる
アプリが別々だと、業務プロセスが多くなり複雑になってしまい、エラーが起きてしまいます。Power Automate を扱うことで、業務を自動化することができ、エラーを減らせます。
部門内のコミュニケーション
システム部門と事業部門の連携をしてアプリケーションを制作すると、迅速にさまざまな意見を取り入れたアプリケーションが作れますが、近年は、部署連携後の情報の連携不足が課題となっている企業も多くあります。Microsoft Power Platform を使うと、IT エンジニア以外でもフィードバックや情報共有をしながら業務を進める環境を容易に構築できるようになります 。
シャドー IT の蔓延
シャドーITとは、情報システム部門が意図していない利用をされてしまうことです 。その原因は、実際に使う側の意図を汲み切れていないという問題が根底にあります。Microsoft Power Platform は、システム部門だけでなく実際に使う事業部門が管理できるため、未然にシャドー ITを防いでくれます。
経営判断に役立てられないデータ
ビックデータを収集していても、経営者が判断に使えるような状態にもっていくことができない問題がありました。Power Apps、Power Automate、Power BI を連携させると、データの収集から分析までのプロセスを効率化し、迅速にビジネス情報として活用することが可能です。これにより、経営判断や業務の意思決定に役立てることができます。
Microsoft Power Platform管理センターについて
Microsoft Power Platform管理センターは、Microsoft Power Platformの各サービスを統合的に管理するためのポータルです。この管理センターでは、環境の作成、設定、監視が行え、ビジネスアプリケーションの運用を効率化します。
Microsoft Power Platformで業務プロセスの改善やDX推進を
Microsoftが提供しているMicrosoft Power Platformは、情報の共有や業務プロセスの改善につながるツールの作成が可能です。ノーコードであることからプログラミングの知識が不要で、IT人材不足の解決にもつながります。クラウドサービスであることから、業務効率化やコスト削減、充実したセキュリティ環境に置くことも可能といえるでしょう。
株式会社ITSOではMicrosoft製品に精通した経験豊富なエンジニアが在籍しています。DX化を推進するための内容整理方法や、着手方法にお困りの企業様には、上流工程からご案内いたします。
