単純作業を自動化できるRPAツールはミス防止や業務スピード向上の効果がありますが、コストを抑えて導入したいなら無料版を検討するのも一手です。
この記事では、完全無料のRPAツール(フリーソフト)とともに、無料トライアルのあるRPAツールを紹介します。関連製品の一括資料請求も可能なため、製品を検討したい方はぜひご利用ください。
目次
無料RPAツールの特徴
RPAツール(Robotic Process Automation)は、定型業務の自動化に役立つソフトウェアです。無料RPAツールは初期投資が不要で導入ハードルが低いため、手軽に自動化することが可能です。なお無料RPAツールには、以下3種類のタイプがあります。
• 無料トライアル:一定期間無料で試せる
• 条件付き無料ツール:特定の条件を満たす個人や学生、小規模チーム向け
• 完全無料:全機能の利用に対して料金がかからない
なお、本記事では、無料トライアルのあるRPAツールと完全無料のRPAツールをピックアップして紹介しています。
無料RPAツールのメリット・デメリット
無料RPAツールは、導入コストを抑えながら、業務の自動化を実現したい企業にとって魅力的な選択肢です。一方で、機能面やサポート面において課題もあります。詳しいメリット・デメリットをみていきましょう。
無料RPAツールのメリット
無料RPAツールは、コストや初期構築において以下のメリットが得られます。
コストをかけずに運用できる
有料版RPAを導入する場合、初期費用の相場としては10万円~50万円程度発生します。月額費用は高額なもので10万円以上する製品もあります。しかし、条件に該当すれば、商用や営利目的での利用を認めているフリーRPAツールも活用できます。予算が限られている企業や小規模なプロジェクトに適しています。
セットアップ不要ですぐに利用開始できる
有料版を導入する場合は、要件定義から製品選び、システム構築まで複数のステップを経るため、導入には数週間から数か月を要するケースが多い傾向です。無料のRPAツールは、アカウントを登録後すぐにダウンロードし、利用開始できるのがメリットと言われています。予算承認などの過程を経ることなく、現場ですぐに活用してみたい場合におすすめです。
ツールの使用感や効果がわかる
RPAツールで自動化できる業務には向き不向きがあり、導入前の判断に苦慮することがあります。本格導入前に、無料のRPAツールを活用すれば、操作性や効果を確認でき、自動化の可否が明確になります。また、製品が業務に適合しない場合でもコストダメージはありません。
無料RPAツールのデメリット
フリーのRPAツールには、機能やサポート体制においてデメリットがあります。詳しく見ていきましょう。
利用できる機能が限定的
ベンダーが製品のよさを無料版で実感させ、有料版へ誘導するために機能が限定されています。そのため、無料版ではRPAツールの利便性を十分に感じられないケースがほとんどです。無料のRPAツールを利用していると自動化したい業務は増えるかもしれません。しかし特に重要な業務は無料版では対応できない場合があることを理解しておく必要があります。
サポート体制が不十分
無料のRPAツールは、サポート体制が万全ではないため、問題発生時に不便さを感じることがあります。また、海外製品のなかには日本語サポートがないものもあります。さらに、日本ではRPAツールの普及が遅れているため、ユーザー同士で情報共有するコミュニティが少ないのも実情です。そのため、トラブル発生時は業務が滞る可能性も視野に入れておかなければなりません。
ツールの使用感や効果がわかる
RPAツールで自動化できる業務には向き不向きがあり、導入前の判断に苦慮することもあります。本格導入前に、無料のRPAツールを活用すれば、操作性や効果を確認でき、自動化の可否が明確になります。また、製品が業務に適合しない場合でもコストダメージはありません。
以下の記事では、RPAを活用するメリットや詳しい導入事例を紹介します。無料・有料にかかわらず、RPAツールの導入を検討している方はぜひご覧ください。
関連記事 ☞ RPAのメリット・デメリットを徹底解説!導入事例や選定ポイントも紹介
無料RPAツールの選びのポイント
動作環境に合致しているか
無料のRPAツールに限らず、自身が使っているパソコンの動作環境と、利用したいRPAツールの動作環境が合致しているかは必ず確認をしましょう。
パソコンの動作環境とは、対象のサービスを動作させるために求められる性能を指しており、具体的にはCPU・メモリ容量・ハードディスクドライブ容量なども指定されます。利用したいRPAツールの動作環境に自身のパソコンがマッチしていない場合、利用できなかったりRPAの挙動が不安定になったりすることがあります。
また、企業における標準ブラウザがIEからChromeやEdgeなどに変わったことから、従来のRPAが必要としていたスペック不足に陥るケースも散見されます。これは、標準ブラウザの変更に伴いCPUやメモリのリソースを多く消費するようになったことが原因と考えられています。必ず動作環境を確認しましょう。
やりたいことができるツールか
RPAツールを無料で利用できることは大きなメリットです。ただし、無料であることによって機能が不足した結果、自動化したいことができなければ意味がありません。一方で、機能がたくさんあるほど良いツールであるように見えますが、多すぎて使いこなせない場合も。
機能以外にも、RPAツールによって処理の精度や自動化したいシステムやアプリケーションとの互換性が大きく異なるため、その点も踏まえ必ず自動化したい業務が叶うツールなのかを実際に開発して試してみましょう。
互換性とは、異なるシステムやソフトウェア、またはデータフォーマットとRPAツールがどれだけうまく連携できるかを指します。RPAツールの互換性が高いほど、多種多様な業務環境において効果的に利用することが可能になり、業務プロセスの自動化範囲が広がります。
RPAツールの契約後にこれらによってうまく自動化できないことが発覚し、プロジェクトが白紙に戻ることのないよう、トライアルの時点で実際に自動化を予定している業務を実装し、課題の洗い出しや対処法の検討が必須となります。
その場合、無料で試せる期間が短いほど導入後のゴールを実現できずに期間が終了する恐れがあります。そのため、なるべく無料で試せる期間が長いものを選ぶことをおすすめします。加えて、RPAツールにはクラウド型・サーバー型・デスクトップ型という3種類があり、それぞれ得意とするポイントが異なります。
クラウド型であれば、インストール不要でインターネットに繋げてすぐ使えてコストを安価に抑えられるというメリットがある反面、使える場面がWebブラウザの自動化に限定される点に注意が必要です。
サーバー型の場合、自社独自の自由なカスタマイズが可能となるため、全社的な業務自動化に向いています。反面、自社内でサーバー構築が必要になります。このことから専門知識・スキルを持ったエンジニアやプログラマが必要であることや、コストが高めという点がネックです。
デスクトップ型は、それぞれのパソコンにインストールして使うタイプであり、コストを安価に抑えられ、小規模業務の自動化に向いている点がメリットです。なお、その性質上、サーバー型のような大規模かつシステム横断型の自動化はできない点に注意しましょう。
このように各ツールの種類・得意とする点と、導入目的がマッチしているかどうか確認することもツール選定時の重要なポイントです。
誰でも使いやすいか
無料のRPAツールだとしても、導入して終わりではなく、実際に現場できちんと利用されてなければ意味がありません。実際にRPAツールを使うのは現場担当者のケースもあれば、IT部門担当者のケースもあり、それぞれの操作のしやすさの観点が違う場合があります。各担当者の意見を尊重し、直感的に操作しやすいなどの、誰でも使いやすいサービスを選定しましょう。
また、RPAツールには日本製と海外製のものがあり、それぞれに良さがあります。しかし、担当者が必ずしも海外製のRPAツールを使いこなせるとは限りません。その理由として、海外製の場合、ツールのマニュアルやサポートが日本語に対応していないことがあるためです。使用者が使いやすいツールを選定しましょう。
本当に大事なのはコストだけか?
無料でRPAによる自動化ができればそれに叶うものはありません。しかし、無料だからといってセキュリティに懸念があったり緊急時や不明点があってもツールベンダーへの問い合わせができない場合は不安が大きいでしょう。
RPAを実装するにあたって「どのような効果を得たいか」だけでなく「避けたい事象」を総合的に考え、ツール選定をしていきましょう。無料だからといって安全な運用ができるとは限りません。よく確認が必要です。
サポートの対応範囲
無料ツールのある中で、全てのベンダーが自社の希望に叶うサポートに対応しているとは限りません。一方でRPAに不慣れな場合は、社内のみで問題を解決することは非常に困難といえます。だからこそ、サポート体制が十分かどうかも重要なのです。
無料ではじめられるRPAツールのベンダーによっては、専用のメールフォームを備えていたり、電話やチャットでのサポート体制を用意しています。一方で、サポートは行っておらず、ユーザーコミュニティを提供しているケースもあります。ユーザー間で問題について質問と回答を行える貴重な場ですが、回答までに時間がかかったり、回答が得られなかったりというケースもあるため注意が必要です。確実かつ早急な問題解決を希望する場合は、十分なサポートメニューを用意しているRPAツールを選ぶとよいでしょう。
ここでいう「サポート」には、不明点があった時に答えてもらえるようなサポートだけでなく、シナリオ作成の代行や、RPAで自動化できる業務の選定を行ってくれるようなサポートも含まれます。
無料トライアルができるRPAの紹介
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Power Automate ☞ 製品紹介はこちら
- 学習不要?!ドラッグ・アンド・ドロップ操作でコードを記述せずに自動化プロセスを設計できます。
- さまざまなアプリケーションに対応する機能(アクション)を搭載しています。
- 画像認識やテキスト解析などのAI機能を簡単に自動化フローに組み込むことができます。
- 複数のフローを一元管理し、エンタープライズ向けの監視と管理を行うことができます。
「Power Automate」は、Windows 10/11ユーザーであれば無償で利用可能なRPAツールです。Microsoft365との互換性が高く、さまざまなクラウドサービスと組み合わせて業務を自動化できます。導入・運用サポートが充実しており、実用操作研修や人材育成サービスなどが有料で提供されています。
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UiPath Platform ☞ 製品紹介はこちら
- UiPath Studio、および、UiPath StudioXを用いたユーザーフレンドリーな開発環境が提供されます。
- 様々なアプリケーションやシステムと効率的に連携できます
- 複数のロボットを一元管理し、エンタープライズ向けの監視と管理を行うことができます
- ユーザーフレンドリーなインターフェースで、ローコードアプリを作成できます
UiPath株式会社が提供する「UiPath Platform」は、RPAの導入から管理までのすべてのプロセスを支援するプラットフォームです。高度な分析ツール「Insights」を搭載しているのも強みでしょう。個人利用の無料プランが提供されており、有料版も無料トライアルを60日間利用可能です。
ロボパットDX
- 現場で作成するために開発されたRPAであり作成が容易
- 導入企業には専属の担当者がつき、個別にサポート
- コスト削減だけでなく、DX推進サービスを提供
「ロボパットDX」は、専属の担当者による個別サポートが無料で受けられるRPAツールです。3か月の導入支援サポートでは、徹底した個別支援によりDX化を推進できるでしょう。1か月の無料トライアル期間中も、通常と同様のサポートを利用可能です。担当コンサルタントが業務の洗い出しから自動化アドバイスまで行うため、導入もスムーズです。
WinActor
- パソコン1台からのミニマムスタートで導入が簡単
- 時間がかかる大量の処理を行いたいときにぴったり
- RPA技術者検定保有者による勉強会を定期的に開催
「WinActor」は、複雑な業務処理に対応可能な純国産RPAツールです。複数パターンのロボット作成方式があり、大量データの高速処理や高度な作業にも対応可能です。3週間の無料トライアルを実施しており、ロボット作成などで不明点があってもヘルプセンターで相談できます。
OCEVISTAS
- 1ヶ月間の無料トライアルで事前に試せる!
- プログラミング知識不要、日本語対応でロボットの作成が容易!
- チャットサポート、ナレッジ等の充実したサポート体制!
「OCEVISTAS」は、デスクトップ型とクラウド型、サーバ型の3タイプから選択できるRPAソリューションです。従業員数100名以上の企業に対応しており、民間企業から地方自治体まで豊富な導入実績をもちます。1か月の無料トライアルを提供しています。
Robo-Pat
- ご契約は1ヶ月ごと!初期費用も必要ありません
- ロボ作成が簡単!パソコンを使える方であればロボ作成ができる
- PCに直接インストールするのでネットに繋がなくても使用可能
「Robo-Pat」は、ネット接続不要のスタンドアロン型RPAツールです。プログラミング知識が不要で、画像認識機能を使用してプログラミングスキルがない方でも容易にロボットを作成できます。アプリケーションやブラウザの種類を問わず、幅広いパソコン業務の自動化が可能です。無料トライアルでは、3ライセンスを1か月間利用できます。
RoboTANGO
- 録画機能でパソコン上で操作するだけで簡単にRPAの作成が可能
- 低価格なのに1ライセンス複数のPCで利用できる
- Excel、システム、チャット・メールへの転記に強い
「RoboTANGO(ロボタンゴ) 」は、一つのライセンスを複数のパソコンで共有して利用できるRPAツールです。録画機能の搭載により、普段どおりの作業を行うだけで簡単にロボット作成が可能です。3週間の無料トライアルでは、自動化したい業務のRPAロボット作成支援が受けられるため、導入後すぐに運用を開始できます。
QueenBOT RPA
- 年30万円(税別)から導入できる価格破壊なRPA!
- 導入から開発、運用保守までワンストップで完結!
- 生成AIやAI-OCRとの組合わせも可能!
「QueenBOT RPA」は、開発システムとは別の実行専用環境をもつため、ネットワークやハードウェアに障害が起こっても、別環境で継続可能です。年間ライセンス料が30万円と安価で、1ライセンスで複数のパソコンへインストールできます。無料トライアルも提供しています。
BizRobo!
- 1ライセンスで複数のロボットを稼働できる
- 機械学習機能(ISA)を搭載
- サポートサービスが充実
「BizRobo!」は、1ライセンスで複数ロボットを稼働できるRPAツールです。サーバ型やデスクトップ型、クラウド型など導入形態ごとに複数の料金プランが用意されているほか、RPAの導入や運用に関する手厚いサポートも特徴です。無料トライアルは1か月間で、その間に技術サポートやラーニングコンテンツを利用できるのも魅力でしょう。
BluePrism
- オンプレミス・パブリッククラウド・SaaSから選択可能
- 強固なセキュリティでコンプライアンスを支援
- オンラインストアで自動化機能を購入可能
「BluePrism」は、オブジェクトの組み合わせでロボットを作成するRPAツールです。作成したオブジェクトは蓄積されるため、利用するほど効率がよくなり生産性向上も期待できるでしょう。また、複数のプロセスを同時並行で処理するなど拡張性の高さも強みです。最大30日間の無料トライアルがあります。
EzAvater
- 契約前の無料ハンズオントレーニングあり
- シナリオ作成数は無制限
- よく使われるシナリオのサンプルが提供
「EzAvater」は、動作の不安定さを解消すべく開発されたRPAツールです。導入企業の7割以上が非IT部門であり、非エンジニアでも簡単に操作できるでしょう。また、ロボット停止のエラー通知設定によって、素早い対処が可能です。2週間の無料トライアルを提供しています。
BizteXcobit
- 導入から運用までサポートが充実
- 営業・人事・マーケティングなど幅広い業種で利用可能
- クラウド型ならではの継続的なアップデート
「BizteXcobit」は、月額2万円から利用できるローコストのクラウド型RPAツールです。主にブラウザベースの操作に対応し、Webサイトからの情報収集やスプレッドシートの連携、メール送信、変更点の検出といった操作を自動化できます。人の代わりにロボットが業務を遂行するとともに、専門知識がなくても扱えるため人件費を大幅に削減可能です。
マクロマン
- オフラインでも使える国産RPA
- 無料期間も利用人数も無制限!何台のPCにダウンロードしてもOK
- スクリプト型とフローチャート型(β版)の切り替えが可能
「マクロマン」は、ダウンロードやインストールの台数制限がない完全無料の国産RPAツールです。RPAツールに知見のある従業員がいなくても、専門スタッフが導入企業にスポットまたは長期常駐しサポートする有料サービスも提供しています。基本操作を学べるセミナーも実施しており、導入前に使用感を試せるのもポイントです。
RPAの導入はトライアル期間で検証しながら検討を
無料のRPAには、運用コストの削減や導入のしやすさなどのメリットがありますが、機能やサポートが不十分な場合もあります。そのため業務効率化を図るには、無料版だけでなく有料版も含めて検討すると、自社にあう最適な製品が見つかりやすいでしょう。
まずは、無料のRPAで使用感や利用効果を試し、自社業務に適合すると判断してから、制限のない有償版を導入してみるのも一手です。さっそく業務の効率化のために資料を取り寄せ、自社にあう製品の比較をしてみてはいかがでしょうか。