Power Platformの活用事例10選!活用方法や今後について解説

2025.1.15

ビジネスの効率化や自動化を目指している方の中には、Microsoft Power Platformの活用を検討している方が多いのではないでしょうか。Power Platformは、業務プロセスの改善に役立つツールで、Power BIやPower Apps、Power Automate、そしてPower Virtual Agentsが含まれています。

本記事では、これらのツールをどのように活用できるか、具体的な事例を10選ご紹介します。

本記事を読むことで、Power Platformがもたらす利便性と効果を実感し、自社の業務効率化やデジタル化の取り組みに役立てられるのです。さらに、今後の展望についても解説し、最新の技術動向を把握することができるでしょう。

ぜひ最後まで読んで、Power Platformの魅力を発見してください。

Microsoft Power Platform とは

Microsoft Power Platformは、データの分析や開発をよりスピーディーに行える統合プラットフォームです。AIやIoTなどから収集されるデータは膨大で、分析するのに時間がかかりがちです。また、分析後にはアプリケーションの開発が待っています。顧客のニーズを超えるサービスを提供するには、分析および開発を素早く行う統合プラットフォームMicrosoft Power Platformが欠かせません。
Microsoft Power Platformは、4つのアプリケーションの総称です。

リアルタイムにビジネスデータ分析を行うPower BI、ローコードでアプリケーションを開発するPower Appsや業務プロセスを自動化するPower Automate、簡単に外部向けWebサイトを構築できるPower Pagesがあります。そして、これら4つのアプリをコーディングをせず瞬時に連携し、容易なデータ活用を可能にするデータベース基盤として、Microsoft Dataverseがあります。

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Power Platformの強み

Power Platformは、5つのサービス(Power Apps、Power Automate、Power BI、Power Pages、Copilot Studio(旧Power Virtual Agents))から構成されています。これらのツールを組み合わせることで、多岐にわたる業務プロセスを効率化することが可能です。以下では、具体的な6つの事例を紹介しています。

ワークフローの自動化

Power Automateは、Power Platformの一環として提供されているRPA(ロボティックプロセスオートメーション)です。Power Automateを使用してRPAの開発を内製化できる基盤を構築するとともに、現場のニーズに合わせたシステムの導入を進められる体制を整備できます。

ローコード開発が可能なため、社内開発でも十分なクオリティのRPAを実装できるようになったうえ、ベンダーから研修や開発トレーニングなどの支援を受け、開発環境の自立化を進められるのがメリットです。

データの可視化と分析

Power BIは、企業のデータを視覚的にわかりやすく表示するためのツールです。PowerBIを導入すると、経営陣は迅速かつ正確な意思決定を行うことができます。例えば、販売データをモニタリングし、どの製品が最も売れているか、どの地域で需要が高いかを簡単に把握できます。

大手メーカー企業では、Power BIを活用して新しい常識が求められる時代に対応すべく、働き方DXを推進しています。Power BIを使って、クラウドプラットフォームであるMicrosoft Azure上でPCアプリの稼働状況などのデータを統合し、分析する仕組みを構築できます。

カスタマーサービスの改善

Copilot Studio(旧Power Virtual Agents)を使うと、カスタマーサービスのチャットボットを簡単に作成することができます。これにより、24時間365日対応の顧客サポートを提供することが可能になります。

ある通信会社では、チャットボットを導入した結果、顧客からの問い合わせ対応時間が平均30秒に短縮され、顧客満足度が大幅に向上しました。また、コールセンターの負担も軽減され、オペレーターはより高度な問い合わせに対応することが実現しています。

業務アプリのモバイル対応

Power Appsを使えば、業務アプリケーションを簡単に作成し、モバイルデバイスで利用することができます。Power Appsにより、従業員はどこにいても必要な情報にアクセスできるようになります。例えば、フィールドセールスチームが現場で顧客情報を即座に確認し、リアルタイムでデータを入力することが可能です。

大手交通機関では、インフラ点検の品質向上と負担削減を実現すべくMicrosoft AzureのAIサービスと、Power Appsを使ったソリューション開発の内製化に取り組んでいます。

従来、同社が地下鉄の各路線の点検業務で実際に行っていたのは、地道な目視確認による点検作業でした。線路を歩いて目視確認をし、その情報を記録するという作業は、少子高齢化による労働力不足が進む近年では維持することが難しいと考えるようになってきたのです。

そこで同社が着手したのは、人間の目視確認とAIを融合させたソリューション開発の内製化です。ローコードでアプリ開発ができるPower AppsとAzureの画像認識モデルを組み合わせて、AIによる異常検知ができる仕組み作りに取り組んできました。

ローコードでの開発が可能ですが、自社だけで実践的なAIを導入するのは至難の業です。同社ではMicrosoftからのサポートも受けながら試行錯誤を繰り返してAIソリューションの開発を実現し、一定の成果を得ることができました。

現時点では本格的な実用化をすぐに行える状況ではないとしているものの、ここまで短期間で数年以内に実装可能なレベルにまで到達できたのは、Power Platformがあったからこそといえるでしょう。

Power Platformの活用事例10選

パナソニック ソリューションテクノロジー株式会社

パナソニック ソリューションテクノロジー株式会社は、Power Platformを活用して社内業務の効率化を実現しています。

業務効率化にあたり、Power Appsを使用してカスタムアプリケーションを開発して、従業員の作業プロセスを最適化しました。

例えば、紙ベースで行われていた承認手続きをデジタル化し、Power Automateと連携させることで、迅速かつ正確な承認フローを構築しました。この取り組みにより、手作業によるエラーの削減と作業時間の短縮を達成し、全体の業務効率が向上しています。

栗田工業株式会社

栗田工業株式会社は、Power BIを活用してデータ分析の効率化を図っています。
膨大なデータを視覚化することで、経営層や現場スタッフが迅速に意思決定を行える環境を整備しました。

具体的には、リアルタイムでデータを可視化し、異常値の検出やトレンド分析を容易にしました。データを簡単に確認・分析できるようになったことで、問題の早期発見と対応が可能になり、全体の運営効率が大幅に向上したようです。

また、Power Appsを使用して現場からの報告をデジタル化し、情報の一元管理を実現しています。

東京地下鉄株式会社

東京地下鉄株式会社は、Power Platformを活用して、保守点検業務の効率化を実現しました。Power Appsを用いて、現場作業員がスマートフォンで簡単に点検結果を入力できるアプリ開発に成功しています。

このアプリはPower Automateと連携しており、点検データが即座に中央システムに送信され、リアルタイムでのデータ管理が可能となりました。データ管理を簡易化することで、点検作業の迅速化とデータの精度向上が図られ、全体の保守管理業務が効率化されています。

参考:東京地下鉄株式会社

鹿島建設株式会社

鹿島建設株式会社は、Power Platformを利用してプロジェクト管理の効率化を実現しました。

Power Appsを用いて、現場からの進捗報告を簡単に行えるアプリを開発し、Power Automateで報告データの自動集計と分析を行っています。この取り組みにより、プロジェクトの進捗状況をリアルタイムで把握でき、問題発生時には迅速に対応することが可能となりました。

また、Power BIを活用してプロジェクト全体のパフォーマンスを視覚化し、効率的な管理や運営が行われています。

野村不動産株式会社

野村不動産株式会社は、Power Platformを活用して顧客管理業務を最適化しました。

Power Appsを使用してカスタマーリレーション管理(CRM)システムを構築し、顧客情報の一元管理を実現しています。

さらに、Power Automateを使って顧客とのコミュニケーションを自動化し、迅速な対応を可能にしました。これにより、顧客満足度の向上と営業効率の改善を達成しています。Power BIを活用して営業データの分析を行い、戦略的な営業活動をサポートもできるようになしました。

ロンドン ヒースロー空港

ロンドン ヒースロー空港は、Power Platformを利用して空港運営の効率化を実現しています。

特に、Power Appsを使用して現場スタッフ向けのアプリを開発し、空港内の各種業務をデジタル化しました。 また、Power Automateを活用してデータの自動収集と処理を行い、空港全体の運営状況をリアルタイムで把握できるようにしているのです。さらに、Power BIを用いて運営データの分析を行い、空港のパフォーマンス向上と顧客サービスの改善に役立てています。

花王株式会社

花王株式会社は、Power Platformを活用して製品開発プロセスの効率化を図っています。
Power Appsを用いて開発プロジェクトの管理アプリを作成し、プロジェクトの進捗やタスクをリアルタイムで追跡しています。

さらに、Power Automateを使ってデータの自動収集とレポート作成を行い、チーム間の情報共有を促進しました。レポート作成やデータ収集業務が簡易化されたことで、開発サイクルが短縮され、製品の市場投入が迅速化されました。また、Power BIを活用して開発データを分析し、より戦略的な意思決定をサポートしています。

トヨタ自動車株式会社

トヨタ自動車株式会社は、Power Platformを利用して製造プロセスの最適化を実現しました。

Power Appsを使用して、現場作業員がリアルタイムでデータを入力できるアプリを開発し、Power Automateと連携させてデータの自動収集と分析を行っています。これにより、製造プロセスの効率化と品質管理の向上が図られました。 また、Power BIを活用して生産データを可視化し、問題点を迅速に特定して改善することが可能となりました。この取り組みにより、製造現場の生産性が大幅に向上しました。

東日本電信電話株式会社

東日本電信電話株式会社(NTT東日本)は、Power Platformを活用して顧客サービスの向上を図っています。Power Appsを用いて、顧客対応履歴の管理アプリを開発し、顧客からの問い合わせ対応を効率化しました。

また、Power Automateを使って問い合わせ内容の自動分類と担当者への通知を行い、迅速な対応を可能にしています。 さらに、Power BIを活用して顧客対応データを分析し、サービスの質を向上させるための改善点を特定しました。この取り組みにより、顧客満足度が大幅に向上しました。

伊藤忠丸紅鉄鋼株式会社

伊藤忠丸紅鉄鋼株式会社は、Power Platformを利用して営業活動の効率化を実現しました。

Power Appsを使用して営業支援アプリを開発し、営業プロセスのデジタル化を推進しました。さらに、Power Automateを活用して商談データの自動収集と分析を行い、営業活動の状況をリアルタイムで把握できるようにしました。 また、Power BIを使って営業データを視覚化し、戦略的な営業計画の立案を支援しています。この取り組みにより、営業効率の向上を実現しています。

Microsoft Power Platformの導入で業務効率化を

Microsoft Power Platformは、企業の業務効率化と生産性向上に大きく貢献するツールです。

ITSOは、Microsoft Power Platform に限らず他RPAツールやAI技術を駆使しつつ長年の経験を活かしてコンサルティングから開発・運用保守まで提供します。

ITSOはMicrosoftとのパートナー認定取得を進めており、ローコード開発、Power Automate、Power Apps、Power BIを含む包括的なサービスを提供している企業です。 Power Platformの活用を検討中の企業は、ぜひITSOにご相談ください。

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